ウィーンの森から見たウィーン市内
【ウィンナーソーセージの歴史】
微妙ではありますが「フランクフルターソーセージ」はウィーン生まれなんです。ウソ―。と思われるかもしれませんが作った人は確かにドイツ人です。ウィーンに行かれた方はもちろんご存知でしょうが街のあちこちにソーセージスタンドが並んでいますがこのソーセージスタンド、許可されたのは60年代というからまだ新しいと言えば新しいのでしょうがそこでソーセージを注文しようと思っても「ウィンナーソーセージ」はありません。皆さんの知っているウィンナーは「フランクフルターヴルスト」と呼ばれています。実はフランクフルト市に行ってもフランクフルトはありません。これは「ウィーンナーヴルスト」と呼ばれています。

改めましてご説明させて頂きます。
ソーセージの代表的な名称にウィーンナーソーセージとフランクフルトソーセージがありますがウィーン市ではフランクフルターブルストといい、フランクフルト市ではウィンナーブルストと呼ばれています。中身は同じです。
なぜこのような名前になったかというと、ヨハン・ゲオルグ・ラーナー(Johann Georg Lahner 1772年8月13日Gasseldorfドイツ生まれ,、1845年4月23日Wienオーストリア没 )がおります。

彼は貧しい農家の生まれで両親は食べ物に従事する道を選ばせ、フランクフルトの肉屋に就職しました。彼はそこでソーセージ作りを学び職人となった。
ドイツではソーセージの肉は豚肉で作っており食肉に関しては豚肉のギルド(組合)が取り仕切っており、混ぜ物をすると罰金が課せられたのですが、豚肉を単体で作るよりも牛肉を混ぜて作ると美味しいソーセージが出来る事を発見しました。しかし牛肉を扱うギルドに相談無く勝手な真似は出来ません。
当時はギルド(組合)が厳しく混ぜ物をすることを規制され、ソーセージ作りができず中々実現しなかったのではないでしょうか。
腕の良かったラーナーはその後ドナウの移動船に雇われウィーンへとやって来た。
牛肉を混ぜて作ると美味しいソーセージが出来る事を発見したラーナーはドイツでは作れなかった「新しいソーセージ」をウィーンの牛肉を扱うギルドに相談無く勝手な真似は出来ませんから、いかにして説得したのかは分かりませんが、牛肉との混合ソーセージを作りました。初めての豚肉と牛肉を混合したソーセージは今では当たり前の作業工程ですが、当時はギルド(組合)が厳しく混ぜ物をすることを規制され、ソーセージ作りができず中々実現しなかったのは残念でしたね。
このソーセージはウィーンではたちまち評判となり、ソーセージの名前は自分を育ててくれたフランクフルトの肉屋に敬意を評し、フランクフルト・ウィンナー・ソーセージ( Frankfurter Wiener Wuerstel )と名付けたがウィーンの人は長い名前を短く、フランクフルター( Frankfurter Wuerstel )と呼び、現在も美味しく食べられている。彼はこの製法をお世話になったフランクフルトの肉屋に教え、やはりフランクフルト・ウィンナー・ソーセージと銘打ったがフランクフルトには16世紀からフランクフルターというソーセージがあったので、市民は短く名前をウィンナー(Wiener Wuerstchen)と名付けて今に至ります。
ウィーンでも腕の良いソーセージ職人として働き、26歳のとき男爵夫人の援助でウィーンの7区(Neustiftgasse/Kaiserstrasse)で独立、「ラーナー肉店」を開店。 
(60年代までここにありました。壁にここが「ラーナー肉店跡地」と書かれた銘板があります)

 
ラーナーはオーストリアのアンナ・レスラーと結婚し、4人の息子はすべて肉屋になりました。「ラーナー肉店」は1967年まで存在していました。
* 《Neustiftgasse/KaiserstrasseはVolkstheaterから5番の路面電車に乗ってレルヒェンフェルダー・ギュルテルの手前Kaiserstrasseで降ります》
ここの角地にありました(地図をクリックすると拡大します)
 
美味しいソーセジは茹でて食べて美味しいのが良いそうです、一般的にウィンナーもフランクも茹でるのは食材に自信があるからで、焼きソーセージは味付け、食材をある程度ごまかすことができるそうです。
これは人間の持っている味覚感覚でしょうか、以前勤めていた食肉会社の職人から聞いた話なのですが、うなずける所もあるようです。そして作り上げたのが中身は全く同じなのに名前だけが違ったソーセージが出来上がったのです。
1885年、パリでも展示販売し数々の賞を受賞し、それをまねた肉屋が続々誕生したそうです。その後、彼の子孫は代々ウィーンで肉屋を営んだそうですが「ラーナー肉店」は、今はありません。

ザッハーソーセージの事を述べましたがホテルザッハーとは関係ありません。当時はホテルザッハーといえば一流のホテル、その名前を付ければ売れるだろうと、付けた名前のようですが、今では商標登録云々とかで認められないでしょうが当時のおおらかさが嬉しいですね、今では長めのフランクフルターをザッハーソーセージと呼んでいますが中身は少し違うようです。牛肉、豚肉、ベーコン、氷水、スパイスなどで材料などは一緒ですが分量が違うのでしょう、企業秘密なので詳しい配合は分かりませんが使っている材料の一部です。亜硝酸塩、ブドウ糖、香辛料、油、酸化防止剤、アスコルビン酸、グルタミン
酸ナトリウム、二リン酸塩、カルボキシメチルセルロース、ニンニクその他で
す。ウィーンやフランクフルトにお出かけの際にはフランクフルターとザッハーブルストの食べ比べを堪能して下さい。